『まだ午前中なのに腰が重い』『夕方になると肩や首がガチガチ』『座っているだけなのに疲れる』デスクワークをしているから、このようなお悩みをよくお聞きします。実はその疲れ、仕事量や年齢だけが原因ではありません。大きく関係しているのが、毎日の『座り方』です。近年では『座りすぎは新しい喫煙』といわれるほど、長時間の座位姿勢が身体へ影響が注目されています。しかし、仕事をしている以上、座る時間をゼロにすることはできません。だからこそ大切なのが、『正しく座ること』です。特に重要なのが骨盤の位置です。骨盤が正しい位置にあるだけで、腰や肩への負担は大きく変わります。今回はデスクワークで疲れにくい身体を作るための『骨盤の立て方』について詳しく解説します。
骨盤は身体の土台
家を建てる時に基礎が傾いていたらどうなるでしょうか。壁や柱に負担がかかり、建物全体が不安定になります。人の身体も同じです。骨盤は身体の中心にあり、上半身を支える土台の役割をしています。この骨盤が傾くと、
・腰に負担がかかる
・背中が丸くなる
・肩が前に出る
・首が前へ突き出る
・頭の重さを支えにくくなる
という連鎖がおこります。頭の重さは約5~6㎏あるといわれています。ボウリングの球ほどの重さを首で支えていると考えると、その負担の大きさが想像できます。骨盤が正しい位置にあるだけで、身体全体のバランスが整い、筋肉への負担が軽減されるのです。
疲れる座り方①骨盤が後ろに倒れる
最も多いのがこの姿勢です。椅子に浅く腰かけて、
・背中を丸める
・お尻が前に出る
・腰が丸くなる
という状態です。いわゆる『だらっと座る姿勢』です。この姿勢になると骨盤が後ろへ倒れます。すると背骨も一緒に丸くなり、頭が前へ出てしまいます。頭が前へ出るほど首や肩の筋肉は頑張って頭を支えなければなりません。その結果、肩こり、首こり、頭痛、眼精疲労などの不調につながります。さらに腰の自然なカーブも失われるため、腰痛の原因にもなります。
疲れる座り方②反り腰姿勢
意外と多いのが反り腰です。『姿勢をよくしよう』と意識するあまり、胸を張る 腰をそらせる おなかを前へ突き出す という姿勢になっている方もいます。一見すると良い姿勢に見えますが、実際には腰に大きな負担がかかっています。反り腰になると腰の筋肉が常に緊張し続ける状態になります。また、おなかの筋肉がうまく使えなくなり、ポッコリおなかの原因になることもあります。良い姿勢とは『胸を張ること』ではありません。骨盤が自然に立ち、身体全体が無理なく支えられている状態です。
骨盤を立てるとはどういうこと?
『骨盤を立てる』と聞くと難しく感じるかもしれません。実は簡単です。椅子に座った時に左右のお尻の下に硬い骨があります。これを『坐骨(ざこつ)』といいます。骨盤が立っている状態とは、この座骨でしっかり座れている状態です。反対に、お尻の後ろで座っているという感覚がある場合は骨盤が後ろに倒れている可能性があります。まずは椅子に浅く座り、前後にゆっくり骨盤を動かしてみましょう。すると、後ろへ倒れた状態 前へ倒れた状態 の中間で、一番楽に座れる一が見つかります。そこが骨盤が立った状態です。
正しい座り方の5つのポイント
①深く腰掛ける
椅子には深く腰掛けましょう。背もたれを利用することで身体を安定させやすくなります。浅く座ると骨盤が後ろに倒れやすくなります。
②坐骨で座る
お尻全体ではなく、坐骨で体重を支える意識を持ちましょう。自然と骨盤が立ちやすくなります。
③膝は90度
膝が高すぎたり低すぎたりすると骨盤の位置が崩れます。理想は股関節と膝が約90度になる高さです。足裏全体が床につく状態を目指しましょう。
④背中は無理に伸ばさない
姿勢を良くしようとして力を入れすぎる必要はありません。背骨には自然なS字カーブがあります。そのカーブを保つ程度で十分です。
⑤モニターの高さを調整する
画面が低いと頭が前へ出ます。目線が少し下になる程度の高さが理想です。ノートパソコンの場合はスタンドを活用するのもおすすめです。
どれだけ正しく座っても動くことが大切
実はここが重要なポイントです。どんなに理想的な姿勢でも、何時間も同じ姿勢を続ければ身体は疲れます。人間の身体は本来動くために作られています。長時間座り続けることで、血流低下 筋肉の緊張 関節の硬さが起こります。そのため、
・30~60分ごとに立つ
・軽く歩く
・肩を回す
・背伸びをする
といった習慣を取り入れましょう。たった1分でも身体への負担は大きく変わります。
骨盤が整うと身体はどう変わる?
骨盤が正しい位置に近づくと、
・腰が楽になる
・肩コリが軽減する
・首への負担が減る
・呼吸がしやすくなる
・集中力が続きやすくなる
・疲れにくくなる
といった変化が期待できます。また、見た目の印象も変わります。猫背が改善されることで若々しく見えたり、自信のある印象を与えたりすることもあります。毎日何時間も続くデスクワークだからこそ、座り方の積み重ねが身体を大きく左右するのです。
座り方を変えても疲れる場合は身体が硬くなっているサインかも
『正しい姿勢を意識しているのに疲れる』そんな方も少なくありません。その場合は、骨盤周辺の筋肉 股関節 背中 肩甲骨周りが硬くなっている可能性があります。身体が硬い状態では、良い姿勢を維持するためにも余計な力が必要になります。また、長年のクセによって身体のバランスが崩れていることもあります。自分ではまっすぐ座っているつもりでも、実際には左右差が大きいケースも珍しくありません。
まとめ
デスクワークで疲れにくい身体を作るためには、『骨盤を立てる』ことが大切です。骨盤は身体の土台です。土台が安定すると、首や肩、腰への負担も軽減されます。まずは、
・深く腰掛ける
・坐骨で座る
・足裏を床につける
・背中を無理に伸ばさない
この4つを意識してみてください。そして、どれだけ良い姿勢でも長時間同じ姿勢は禁物です。定期的に身体を動かしながら、疲れにくい身体づくりを目指しましょう。
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